自分の同人誌備忘録

同人誌をつくるにあたっての色々を自分のためにまとめました。

ひとり同人誌反省会

はじめてイベントに出す同人誌(カバー付き文庫本/pixiv再録と書きおろし3作)を作るにあたって網羅的にどうすればいいかがわかるサイトがなかったので備忘録を兼ねてブログにしました。本当は自分のwebページを立ちあげたかったのですが覚えてるうちに一気に書きあげたかったので一旦あきらめました。今後自分のサイトにまとめて追記したり管理するかもしれない。(あと備忘録メインのひとり反省会なので読みやすさには眠っていただきました)

 

☆同人誌頒布までの流れはこれです

(注意)ここでの試し刷りとは、自分が選んだ印刷会社さんがサンプル印刷を休止していたことに後から気がつき(当然あると思いこんでいた)、本物を見るまで自分が作ったデータが一切信用できないことと、今までの経験から自分は絶対やらかすと思い1冊だけ本番と同じデータで先に本を作ったことを指しています。(泣くほど金額が高かった)(でもやってよかった後悔はマジでしてない)(サンプル印刷サービスがある印刷所を選ぶ方が安心かも)

 

2021/12/18  5月に本を出そうかなというツイートをする

- 空白の期間(上げていた小説を初めて読み返し悶絶していたとかだと思う) -

2022/2/1  イベントで本を絶対出さなくてはいけない理由ができる(動きはじめる)

同 2/9  イベントに申し込む(退路を断つ)

2/20  印刷会社に請求していた紙サンプルが届く 

2/21  書きおろしを書きはじめる

3/4  細かい仕様を変えては見積りを出しを繰り返す。本のサイズをA6にするかA5にするかで死ぬほどまよう

3/30  進まない再録の加筆修正とどうにもならない書きおろしについてのツイートがめちゃくちゃ増加する

4/2  本の厚みを「文庫本サイズを選んだんだから市販の文庫本の厚みになるはず」と思いこんでいたため、「カバーや表紙は背幅により変動する」「本の背幅自動計算」みたいな文字を見て、(もしかしてページ数が少ないと本のサイズは文庫でもめっちゃ薄くなっちゃうかもしれないってこと!?)とめちゃくちゃ焦りだす(これ以降やっても何も変わらないのに毎日シュミレーションしていた)

4/6  原稿の進捗がダメなことに気がつき実家に帰る。一日中書いたり消したりする

4/8-9   カバー・本文・表紙の試し刷りの締切が襲いかかる(人生初の入稿)

4/11  イベントのスペース配置が発表されてめちゃくちゃ焦りはじめる

4/16   試し刷りの本が到着する(そのときのようす)

4/22  おしながきとサンプルをあげる(まだ原稿できてないのに)

4/26  本番の本文と表紙の締切当日なのに本文が完成せず締切10分前まで原稿を書き、本文の加筆修正に伴ない事前に作成していた目次とページ数がズレることに気がついて30分締切時間を伸ばしてもらい入稿→脱稿報告を祝ってもらった30秒後に不備に気がつき印刷会社から不備連絡がくる→所定の時間に修正データを送り完全脱稿

5/3  朝自分のスペースに行くと本が机の下にダンボールに入って置いてあった

 

結果としては書きおろしもなんとかまとめて新刊を落とすことなく頒布することができたのですが、スケジュールの全ては破綻していてかなり無理矢理やった感じが大きい。見通しの悪さと計画性のなさ、見積りの甘さと時間のなさが原因です。

自分で確認できている今回の同人誌単体での細かなやらかしは以下のとおりです。

 

 

やらかし1  奥付の不備とその改善策

原稿が進まず飽きたため、奥付ならすぐ書けることから「今書けそうな奥付から先に書いて進めた気になろう、メアドとか他の書かないといけないやつはテンプレあるし後からやろ〜」と、飛び飛びで奥付を作成したところ、ヌケモレが酷くて修正シールを3枚も貼ることになった。

具体的にはテンプレまで存在していて確認していたにも関らず、メールアドレスや18禁明記、原作との関係などが抜けて(書いたつもりになって)いた。

 

〈改善策〉

手があいたので奥付のここまで先にやってここは後からやろうというように、飛び飛びでの作業をしない。やるならページや項目全てを最後までまとめて作成すること。また、時間に余裕を保たせて最終確認が出来るようにする。(表紙やカバーなどに記入があっても扉や奥付に改めて明記する必要があり、特に印刷所や発行者、連絡先(SNSアカウントではなくメアドが好ましい)などがない場合は最悪頒布が難しくなったり、私のように修正シールを3枚も貼るハメになったりする。(本当にすみません)

 

 

やらかし2   裏表紙の文字と文字の間の不自然な空白と改善策

試し刷りだからあとでちゃんとしたデータを作ればいい、データは全部アウトラインとらないといけないらしい(イラレは1週間前にインストールした)という知識と想定でデータを作成したため、届いた試し刷り本を見て本番向けにデータの修正をしようとしたらアウトラインとった後のデータしかなくてどのフォントを何Ptでどうした、といったデータがなにもわからなくて困った。

具体的には試し刷り裏表紙のデータの「つ」のローマ字のつづりを間違えていることに気がついたが、アウトラインを取ってしまった後であること、それからアウトラインを取る前のデータがないこと、時間もないことからどうにもならず、データの文字の順番を入れ変えるという力技を駆使したがよくみたらtとsの間が不自然に空いていた。

 

〈改善策〉

イラレのデータ管理がよくわかっていなかった。今後はアウトライン(OL)を取るまえに保存→アウトラインを取ったデータに「cover_OL」といった名前をつけて保存するようにする。(そうすると修正がしやすいし、どのデータを触ればいいかが一発でわかる)

 

 

やらかし3  入稿データ間違いによる色ミスと改善策

これで完成→微修正のときにファイルに同じような名前のファイルを作りまくり、修正データの作成や入稿が多いのにファイル整理を怠ったため、どれが何だかわからなくなり名前を信じて入稿したところ、(修正前のデータで作成しようとしていたのに修正後のデータを入稿していたらしく)不本意な色合いになってしまった。

 

〈改善策〉

何度もやりとりしたり修正が考えられたり同じようなデータが多く間違えやすい場合、ファイル整理を面倒でもきちんとやること。途中で整理ができていないことに気がついたらその場で対応する、似たような名前(実際つけていた名前:nyuukoufix, nyuukou, nyuukoukannsei, nyukou )をつけない。これは本当に最悪だと自分でも思う。普段のファイル整理からちゃんとやってないと急にはできない。(デザイナーさんのファイル整理方法などを参考にするとよさそう)(調べると出てくる)

 

 

やらかし4  カバーの価格表示部分の誤植と改善策

カバー裏のC0197以降の金額が頒布価格になっていない。これは試し刷りのときに暫定で数字をつっこんだことを忘れてしまい、どこにも本番で修正する場所のメモを残さなかった上に本番で時間がなかったのでそのまま入稿してしまい、印刷された後に気がついた。

 

〈改善策〉

確認不足と時間のなさが原因にあるけれど、仮の数値などは数値そのものを入れるのではなく「nnnnnnn」や「仮仮仮」のように一目でわかる形でデータを作成する。また試し刷りやサンプル印刷で修正箇所が見つかった際には、その場でその本体に赤ペンなどで「どこをどのように修正するか」を書き込み訂正が終わったら訂正線を引くようにするとよさそう。

 

やらかし5  本文を印刷した時の裏表の行を揃え忘れた

市販の小説本を透かしても行の乱れがないのに自分の小説はそうでないことが試し刷りのときに気になって、どうやって揃えたら透かしても綺麗に見えるかを調べてあったのに本文の入稿が締切数分前とかめちゃくちゃ焦っていて飛んでしまい直せなかった。

 

〈改善策〉

時間に余裕を持つこと。とにかくこれ。あとはやらかし4の改善策も使えそう。

 

他にもやらかし2と同じ理由で、試し刷りをする際に作った目次のページ数と本番で締切ギリギリになって完成した本文のページ数がズレていて何度も修正のやりとりをしたり、画像データのリンク切れを何度も確認したのに画像の下の下に埋もれた画像データがあって修正の電話を頂いたり、校正を頼んでいた友達を進まない書き上がらない原稿のせいで振りまわしてしまったり、寝ずに原稿をやりすぎて緑色のゲロを吐いて体調が悪くなって迷惑をかけたりましたが(あとはトイレで便器の蓋にパソコンを置いて作業していたせいで痔になった)、なにより手に取ってくださった(これからくださる)方に一番いい、これ以上は無理という状態での本を渡せなかったのが一番のやらかしです。これは本当にごめんなさい。

頒布物が手元にある方も多くいる中でこういう記事を書くのもどうかと思ったのですが、次に活かすために忘れないようにする必要があったことや内容の方向としてはネガティブであったとしても、やらかし自体は忘れたり同じことをやらなければネガティブなことだとは(個人的に)思っていないのであえて書きました。自分でできそうな改善策まで考えるのはもうわかってるから結構イヤだったけど、それをやらないと何にもならないのと、書き出すと再認しやすかったのでそこはよかったです。

 

同人誌を作ってわかったこと 

インターネットで調べれば何でも出てくる、素人の自分が悩む・わからないレベルのことは既に先人が経験しているので殆どネットにのっている、わからなくてもあきらめないこと、できることやってだめそうなら同人誌出してる方に相談すること、経験者の方がいなかったら原稿作れなかった。本当にありがとうございます。

印刷所が超親切。とにかく印刷所の方の負担になることは避けたかったのでめちゃくちゃ入稿データの作り方や多い不備、Q&Aを見てデータを作ったつもりだったけれど不備があったときに、とても丁寧に案内をくれたりできるかぎり柔軟に対応してくださりwebページに記載のない事項の確認から不備対応まで「この人たちがいなかったら絶対本出ないな(もちろんそうなんだけどそれはそうとして)」と思うくらい丁寧で優しかったです。「がんばってくださいね」みたいなことを言ってくれたりしてめちゃくちゃがんばれました。

色んな人が関わっていて、そういう人たちがいてくれるので同人誌は出せるしこういう活動ができる、社会体験みたいな感じではたらくひと・仕事ってすごいなと改めて思いました。

本つくるのはしぬほど大変。めちゃくちゃ楽しいけどちゃんと考えてスケジュール立てたりしないと普通に身体壊すと思う。私は本来よく動くタイプなのですが、原稿がヤバくなってからはずっと同じ体勢で殆ど立たずに(集中してると忘れるし時間なくて立てない)やってたし、なんなら最後は殆ど寝ないでやっていたので、これ続けたら寿命縮まるなと思いました。 健康を維持して生活をちゃんと送れた上で趣味で作らないと長く沢山同人誌作れないので次からは気をつけたいです。

日頃の自分の杜撰さを再認できる。自分の「や〜、わかってるけど面倒なんだよね、大丈夫大丈夫ちゃんと後で直すって、試し刷りまでこぎつけたしいけるっしょ!やったー!」みたいな最悪が全部露呈するとこうなるということがわかりました。本当に気がついたらその場でやること、絶対に忘れること、予定はギチギチで組まないこと、失敗したときのリカバーも考えておく必要があるみたいな大事なことを学べました。とにかく自分を信用してはいけない。よくわかった。

リアクションくれる全ての人、ありがとうございます。原稿やってても何しててもあまり孤独ではない(と私は感じる)けど、やっぱりめちゃくちゃ大変で「もう誰だよ本出すっていったやつ、、、」みたいになったときに、もくりしてくれたりリプくれたり何かしらの反応があるだけで、ウワーーンうれしいうれしい、もうちょっとがんばろ、、みたいな気持ちになりました。特に深夜とかにTLに誰かがいてくれたりいいねがついたりすると(みんな寝られるならば早く寝た方がいいのはそうだけど)めちゃくちゃうれしかったです。ありがとうございます。それと感想は思っていた1000倍くらい大事なんだなと思いました。ROMだった頃は、こんな知らない誰かの感想とか交流のない読み専の人間(私)からもらって嬉しいのかなとか、そもそも本当にこんな内容の感想もらって…とか、もう明日にしようかなとか(送る側として自分が)よく思っていたのですが、そういう全部は取っぱらってとにかく「よかったです」だけでも打てたら送信ボタンを押す必要があるということがよくわかりました。

 

 

 

こんなところでしょうか、色々書いたけれどやっぱり本当にやってよかったし終わってみればとても楽しかったです。違う印刷所とか装丁だとまた色々学ぶところが多いんだろうなあと思うけれどひとつずつていねいに余裕もってがんばります。次くらいから「同人誌作ろうとしたはいいけどそういえば何もわからない、、、読んでたときとか手伝ってたときはいける気がしていたのに、、」みたいなやつを書こうと思います。

以上です。見てください、わたしはまた性懲りもなく朝を迎えてしまいました。もうねます。おやすみなさい。