ひとり同人誌反省会2
恒例(?)のひとり同人誌反省会の2回目、2022-12-11のイベントでの反省の様子です。前回の反省が活かせた部分と同じ轍を踏んだ部分があり、なんだかんだこのブログを見返していたので結構自分の役に立っている気がします。遠足はおうちに帰るまで、原稿作成から反省までが私の同人イベントです。
さて、今回もなんとか(準備号にすることで)ギリギリで頒布することができたのですが、やはりギリギリになったせいでの反省点が沢山あったので書いていきたいと思います。
<今回の頒布までの経緯>
① 確か11月下旬の段階で、このままでは文庫本にするのは間に合わないと思い準備号に変更。この時点で表紙のデザインは決まっていたので準備号に切り替える。
② 準備号に切り替えてからも原稿を本気で書くスイッチを入れるのが遅くてギリギリまで校正→修正を繰り返していたら入稿の1時間前になってしまい、そこからバラバラに作成して保存していた表紙や奥付、あとがきといったデータを所定の形式にまとめて入稿するのにも時間がかかり、当日に間に合う最終である12月9日23:59の締め切りを、4分超過する。
③ 締め切りが受付時間外の深夜であったことやそもそもが同人専門の印刷所ではないため、締切の延長は不可能だと自己判断し印刷所を変更。急遽対応してくださる会社が見つかるも製本を専門とする会社ではなかったため、電話で確認したところ使おうとしていた紙の仕入れがなく(紙ありきの装丁にしていたため)予定していた装丁やデザインを直前で変更するなど対応が多くなり、入稿不備はなかったものの自分が作りたかったものを作成できなかった、
という感じです。
予定していた紙がない→紙や印刷会社が変わると色の出かたが変わる(今回は事前に色を細かく合わせていた)ことに締め切りをぶっち切ってから気がついて、一人で転げまわったり叫んだりしていました。
(直前で受けてくださった印刷会社さんはとても親身になって相談に乗ってくださり、できること・難しいことを教えていただけただけでなく、朝イチで電話→10時に入稿→同日16時に仕上げてくださったおかげで今回準備号を頒布することができました。作りたかったものを作成できなかったというのは全て私の不手際によるものです。そこだけは誤解がないように明記させていただきます。本当にありがとうございます。)
次はやらかしとその対策についてまとめたいです。
やらかし1 原稿が締め切りに間に合わない / その対策
準備号に切り替えてから本腰のスイッチを入れるのが遅くてギリギリまで校正→修正を繰り返していたら締め切りに間に合わなかった。
<改善策>
原稿にかける時間配分の見積もりが甘いので、今回かかった日数のログや前回のログから校正に入って仕上げるまでにどのくらい日数がかかるのかを割り出してスケジュールを組むこと。特に自分は校正→完成までが最も長いタイプだと思うので、そこの日数を十分にとるようにする。また、準備号であっても本文以外の事務ページがあることを忘れず、どこかに一点集中するのではなく、常に全体を考えながらスケジュールをみてこまめに修正していくこと。
また印刷会社や時期によって混雑していたりいつでもスムーズにデータ送信ができるとは限らないため、基本的にデータが仕上がっても送信時間や混雑時のデータチェックまでの時間も含めて入稿までの準備時間(~5時間など)を取ること。今回は事前のチェックに2時間を要したので、次回は締め切り時刻の4時間前には完全に入稿できる状態にしておくか、やりたいことや時間がかかりそうなどれかを諦めて入稿(または印刷所を変更)するのがいいかもしれない。
やらかし2 必要なときに必要なファイルが見あたらない / その対策
色々なソフトやツールを触れるようになってきて、練習だったりデザイン案や原稿の下書きが増えた。元々整理整頓や管理が得意ではないのに面倒がって(あるいはふざけて)適当な名前を付けたり何も考えずにファイルを作り続けた結果、データ一覧がぐちゃぐちゃになってどれが何でどれが最新のデータかわからなくなってしまった。入稿が間に合わなかった原因の大半は本文原稿の完成に時間がかかったことにあるのですが、どのデータが入稿データかわからなくなったりデータのある場所を探したり、更にはあらゆる印刷所のテンプレをDLしたせいでどれがどの印刷所のものかもわからなくなるという最悪のせいで時間をロスした部分が2割くらいあります。
<改善策>
まずどんなソフトであってもイベントごとにフォルダを作って仕分けしてください。また、どのファイルを触ればいいかわかりやすいようにファイル名のをつける際には規則性を持たせるようにすること。自分は分単位での修正や変更が多い為、先頭をyy/mm/ddにするだけでなく時間までをファイル名に含めるようにする(そうすると最新データがわかりやすい気がする)。また自分で決めた命名のルールはきちんと自分で守ること。これができなかったら何の意味もない。私は普段から使ったものを元に戻さないとか、先延ばしをめちゃくちゃにやる癖があり、そういった悪癖がミスやトラブルに効いてくるので日頃から面倒であっても整理整頓を心がけるようにする。気がついたけど、たぶん、様々なクライアントさんと膨大な量のデータをやりとりする職業の方はこういうところをまず徹底している気がする。
やらかし3 確認不足によるヌケモレがある / その対策
これは準備号ではなく無配での話になるのですが、今回も年齢順に記述した結果ABがBAになっていたり敬称が抜けるミスがありました。
<改善策>
これらはイベント当日の午前1時近くまでデータのこまめな差し替えやページを跨いでの反復修正、情報の追加が重なったことで発生したミスであり、本来はこれをしないことが最もよい改善策なのですが自分の性格上全くしないことは困難なので、先述したスケジュール管理に加えて反復しての作業はできるだけ控えること。そして大前提として時間にゆとりがある状態で念入りに確認すればある程度防げるものだと考えます。
ただ、その入稿前に確認する項目がまとめられていないため、その時に気になった事項を空で確認するだけになっているのが現状のため、入稿前確認リストを作成し(随時編集していく)、それに従い確認を行い(ここで手を抜いたり楽をしようとしないこと)、ミスを減らそうと思います。
以上がひとり同人誌反省会2です。
ここからは雑記です。(小説書いてるのに文章が下手で本当にどうもすみません。。。読まなくて大丈夫です)
同人誌を本格的に作りはじめて色々な変化があったのですが、一番大きい変化は小説が書けるようになったとかそういうのではなく、実は今までまったくできなかった掃除や整理整頓、皿洗いがある程度できるようになったことです。どうして同人がそんなところに……と思うかもしれないので、日記がわりに書いておこうと思います。記念。
「やらかし2」でも書いたとおり私は本当に整理整頓が苦手で大きらいなので、部屋の大半がモザイクで覆われる人間です。そんなわけなのでファイル整理なんかも例に漏れず後でやればいい・必要になったらその都度ものを用意したり探せばいいといった考えで作業をしていたのですが、自分で小説を書いて印刷所に入稿して頒布するという作業を(これは私は単に小説を書くだけではだめで実際に頒布までしないとわからなかった)するうちにあまりにも毎回同じことでミスしたり時間を費やしていることに気がつき、さすがに改善したくなってきました。
そもそも同人という名前ではあるものの、やっていることは執筆編集出版みたいな感じであるわけで、そうなると会社があって長く仕事として存在している分野なんだからもっと体系だった最適な方法があるはずというところに至り、そもそも小説を書く作業にリソースを注げるようにしたい・整理とかしたくないをどうすればいいかを考えた結果、
小説を書く以外の部分をいつでもわかりやすく整理整頓しておくことで、急いでいてもある程度バッファを持たせることができる。
というところに辿りつきました。結局やるしかなかった。(この部分は『(たのしい編集 本づくりの基礎技術─編集、DTP、校正、装幀 | 和田文夫, 大西美穂 |本 | 通販 | Amazon)*1』という本が役に立ちました。どんな工程を経てプロが本を送り出しているのかを知れたのは大きかったです。)今度はそのために何ができるかなと考えて
同人のときだけやろうとしたり急にやろうとしてもできないので、日常的にその習慣をつけていくしかない。そこを嫌でも身体に覚えさせないと作りたい本を考え通りにつくることができない。
に着地しました。(どんどん悲しくなってくる。こんなことなら最初からやればよかった。)自分でお金を出して完全に自分の好きにできる同人で、自分のせいで思い通りにできないというのは(自分的には)整理整頓よりも嫌なことだったし、反省(=行動の修正)を重ねることでよりよい同人誌が作れるようになりそうという感覚は前回で学習できていたので、日常の行動から改善していこうとした結果、今まで誰に何を言われてもできなかった掃除や整理整頓、皿洗いが(ある程度ですが)きるようになってきました。もちろん完璧にできるわけではないので、たまにでかめの山になったりはするのですが同人……!と思うことで最低限の処理(水で流したりとか)はできるようになりました(今後の目標は原稿期間でもそれをできるだけ維持できるようにする、というものです)。
ここ3ヶ月くらいそんな感じでやってきて、なんとなく自分は同人をうまくやるために気をつけてたけどこれって仕事でも同じなんじゃないかな(働いたことがないので想像です)と思ってきたりしました。こういう、細かくて華やかではない部分を人が見ていなくても徹底的にルールに則り作業できるかどうかは地味だけれど色んなところで必要になる能力だなーと思ったところで自分のジャンルにそういう人達がたくさん出てきているのを思い出して!!!となりました。ありがとうございます。本当に学ぶところが多い……。
ここまで色々書いたのですが、全然発展途上なので次回もまたどうせ似たような失敗をしたり新しい予測のできない失敗をしている気がします。いやだよー。でも5年後くらいに自分なりのやり方が確立できて、今より多少なりとも段取りよく手際よく頒布まで辿りつけるようになれたらな……と思います。
次は自分用に入稿前確認リストを上げたいです。
同人誌をつくる2(原稿づくり)
この記事は私が作った同人誌の備忘録を兼ねています。基本的に作成した同人誌をベースに話が進みます。
はじめてイベントに出す同人誌(カバー付き文庫本/pixiv再録と書きおろし3作)を作るにあたって網羅的にどうすればいいかがわかるサイトがなかったので備忘録を兼ねてブログにしました。(備忘録メインのひとり反省会会場なので読みやすさには眠っていただいた)
どんなタイムスケジュールで進行していったか、実際本をつくって気がついたやらかし(失敗)と改善策、同人誌を作ってわかったことについてはここにまとめています。こちらから先に見てもらった方がわかりやすいかもしれません。
前回は同人誌をつくる1 (本の仕様を決める)でした。本の仕様がなんとなく見えてきたので、今回は原稿のつくり方について書いていきます。
ここでは本文の書き方(プロットとか)ではなく、組版などのフレームについて言及します。
まず本文に必要なページ数を書き出してみます、私の場合はこんな感じでした。
001 とびら
002 白紙
003 目次タイトルページ
004 目次
005 目次
006 白紙
007 タイトルページ
008 白紙
009-199 小説本体(あとがき含む)
200-201 参考文献
202 奥付
最低限必要なのは扉と奥付だけです、その2つがあれば大丈夫。これを今から作っていきます。
小説本体
最初はワードでやっていたのですが、調べるうちに「これを先に設定しないとズレます」「順番に気をつけてください」とかいう恐しい記事を読み、ワードをそこそこ触れる人に聞いたら「え・・・?そもそもワードはエディタじゃないんだけど・・・」とかいう発言をもらってもう全てがわからなくなり(ワードを使ったらダメということではない)、めちゃくちゃ困りました。当時は右も左もわからなかったので、小説を書く専用のエディタという存在にすら考えが至らず「小学校のパソコンで見た一太郎とやらを買うしかないのか・・・」とか思っていました。ただ同時に、何もわからない今できることは本文を完成させること。とにかく原稿を完成させようと思ったので今まで通りA4横書きのデフォルト設定のまま書き続けました。(今考えるとこの選択は大正解でした)
後日、同人作家さんが多くいる場でこのことを相談したら「縦式いいよ〜」と教えてもらいました。これがあったので同人誌が出たといっても過言ではないです。あのとき教えてくださった方、ありがとうございます。困ったときは自分で調べるのもいいけれど何冊か出している方に聞いてみるのがいいと思います。全部におんぶにだっこはよくないけど、、、
「縦式 - 縦書き入力」をApp Storeで
これが縦式です。iphoneでもipadでもMacでも対応しているの最高。。。
これ以降は縦式をベースに原稿を作るために必要だと思ったことなどをことを書いてみます。(ちなみに私はiphoneのメモに適当に書いていったあとワードにコピペして書いて、原稿が完成したら縦式に流すというスタイルを取りました)
出力設定画面: 縦式1966 ここに縦式の出力設定画面の各項目の説明がありますが、あれこれ言うよりも先に見た方が早そうなので私の実際の出力設定画面を置いておきます。原稿がなかったら青空文庫とかから引っぱってきてこの数値を一旦入力してみて、自分で色々変えてみるのもいいと思います。
- 組版
色々試したのですが、最初に見せてもらった組み方が一番しっくりきたので私も使わせていただきました。参考にしたり閲覧して勉強になった方のURLを貼っておきます。
小説同人誌の段組を考える|もち子|note小説同人誌のためのレイアウトデザイン - 青洋書房 - BOOTH
小説同人誌(A6判・文庫サイズ)制作時のメモ - chinorandom
- 禁則処理
よくわからなくてデフォルト設定のままにしました。参考・閲覧したサイトは以下の通りです。
禁則処理とは何か ~文字組版の基本(前半)~ | マニュアル制作と動画制作の平プロモート
小説同人誌のための組版とDTP:行の組方
- 見出し
原稿ビューの状態では見出しにしたい文字を選択し、「フォーマット」「中見出し」を押して設定します。上に中見出しの「中」が出たらいいはず。あとはこんな感じにしました。中見出しをつけるとノンブルの横に自動で見出し設定した部分が出るようになります。
本のかたちを考える:目次の扉・目次開始処理を考える | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ
見出しとかノンブルとかは縦式のQ&Aとかで探したり「縦式 ○○」とかで検索すると出てきます。ここで調べ倒しましょう。よくあるご質問(FAQ): 縦式1966
- ページ番号設定(ノンブル)
ページ番号の振り方 - グラフィックディレクター 大里早苗 ブログ
通常、3ページ始まりとしてノンブルを入れる場合が多いようですが私は扉〜タイトルページ含めて8P使っているので、本文は9ページ始まりになっています。
ノンブルを見せたくない(表示させない)ときは隠しノンブルを使います。
こんな感じで入っていて、本を思いっきり開いてバキっと割らないと見えなくなっています。
おつかれさまでした。
ここまできたら小説っぽい見た目になっているはずです。プレビューで確認するといいと思います。
この設定で製本されるとどうなるかは下の画像を見ていただければわかると思います。202Pのだいたい真ん中あたりのページを、小説をナチュラルな開き具合で見るとこういう感じです。もう少しだけノドを狭めて1行足してもいいかもとは思いましたが、そんなに開きすぎとも思わなかったのでまあいい気がしています。
またPDFで実際に本のように見開きの状態で確認したいときはSide Booksがおすすめです。右開きの表示設定ができるのは今のところSide Booksしかない気がします。(あったらすみません)こういう感じになります。
印刷して紙で確認したい場合についても記載しておきます。もし原寸大で印刷する場合には(校正とかの時に便利です)A5サイズの用紙が必要になるのでAmazonとかで購入するといいと思います。500〜600円とかで買えます。あと印刷かけるときは設定を確認しながら1Pだけとかにしてやるといいです、一気に100Pとか印刷するとミスったときに地獄です。(わたしはやりました)
単にプリントをすればいいだけなのですが、印刷画面で少しコツがいるので記載しておきます。
※1・・・ここがA5サイズになってないとすごいことになる
※2・・・ここを100%にしないと(デフォルトは83%とかになっているので)微妙に縮小されて出てくるから注意してください
知っている方は「ああ、、これで何度も失敗したんだな」と読み飛ばしてください。そうです、失敗しました。
- 校正
以下が買った本です。
ただし、私は自分で自分の校正が殆どできない(客観視が著しく苦手で、引きで読めない)ので、そういった経験のある友人に頼りました。中身は開いていないので何もわかりません。持っているだけです。
ここまでで小説部分はかなり様になる気がするのですが、もっとこだわりたい方向けに色々書いておこうと思います。
- もっと細かくこだわる(フォント編)
私はカバーと表紙を自分で作成するためにAdobeのサブスクに入っていたので、そこからフォントをいくつか落してきました。小説本文に適するフォントについては以下の記事が参考になると思います。特に「あなたは今〜読んでいますか?」の記事はめちゃくちゃためになりました。
【保存版】小説本文におすすめのフォントとは?実例つきでやさしく解説|Fare.(ファーレ)
あなたは今、どんな書体で読んでいますか?/鳥海修【後編】 神楽坂ブック倶楽部イベントレポート | イベントレポート | Book Bang -ブックバン-
上の表を見て決めるのもいいと思います。ある程度目星をつけたら縦式でPDF作成→印刷→手元で比較といった手法を取っていました。
ちなみに私の文は漢字がそれほど多くなくひらがなが少し多めで、内容も硬いというよりは穏か・柔らかいといったテイストなため、硬すぎず柔らかすぎず品のある「リュウミンL-KL」を選びました。
試しに刷るときに、友人が「ヒラギノ明朝Pro W3 」で原稿を作っていたので、ファイルを分けて作成し、あとがきだけヒラギノ明朝で入稿して本になったときの感じを比較できるようにしました。(Pt数は同じ8.0です)
写真でどこまで差が認められるかは不明ですが掲載しておきます。
リュウミンの方が僅かに細く、引きで見た際に繊細な印象を受けます。逆にヒラギノ明朝は黒が濃く鮮明に出ていてカチッとした印象です。本文だとかなりニュアンスが変わってくるかなと思いました。
ただ、よく見ると(わかりやすいようにマクロレンズで撮影しました)リュウミンはフォントサイズorオンデマンドのせいなのか、曲線部分の文字のフチの粗が気になる気がします。ヒラギノ明朝にはそれが少ないので視認性は高い気がします。
正直ここをこんなに気にするならフォントサイズを変えてみるとかオフセットでやるべきだと思うし、並べて比較して凝視しない限りそこまで気になる感じでもないので参考程度にお願いします。(今度本を作るときに検証します)
- もっと細かくこだわる(フォントサイズ編)
文字が大きいと読んだときに情報を統合しにくくなる(私が)ので、参考に8.0Ptにしました。印刷されたときのフォントとフォントサイズの見え方は↓こちらです
同人誌の作り方(3)──本文を作る・文字サイズ編 - 文学フリマ福岡事務局通信
文庫サイズの小説同人誌ってどんな感じ? - 世界は一変するかもしれない。
「文庫サイズの〜どんな感じ?」のサイトはかなり参考になりました。私はこれからも8.0Ptで作る気がします、9.0Ptも一回くらい試してもいいかもしれないですが。
- 仕上げ
これは気になる人向けですが、私は間に合わなくてできませんでした。次は絶対絶対絶対絶対やりたいです。ひとり同人反省会でも言っていた「やらかし5 本文を印刷した時の裏表の行を揃え忘れた」のやつです。
2)左右ページの余白調整
これやると本文を透かして見たときに裏の行が半分くらいズレててごちゃついて見える、みたいなののない美しい仕上りになると思います。詳しくはここ出力設定オプションについて: 縦式1966 の「2) 左右ページの余白調整」を見てください。
私がやった細かい部分はこれでおわりです。もっとこだわれるところはあると思うので、見つけたら追記していきます。(あとあったら教えてくれると嬉しいです。)
扉・目次・奥付について
次は本文の小説以外のページについて記述していきます。
私はここを8P使用して扉や目次、タイトルページなどを組みました。出版社や形式によって色々違いがあるので色んな小説の扉や目次を見るのが良いと思います。
- 扉
扉はシメケンさんのとこに扉と目次のテンプレートがあったのですが、どれもちょっと自分の本のイメージとは違かったのでイラレで自作しました。ただテンプレを使う方が絶対に楽ですし、飾り枠は縦式でも作成できるようです(ここを見ること)
私が作ったものでよければここに貼っておくので、使いたい人がいましたら使ってください。二次配布はNG、使用にあたって許可等は不要です。改変も大丈夫、お好きにどうぞ。
- 目次
これもイラレで作成しました。最初は縦式で作っていたのですが、ページ数のフォントの表記崩れが気になって途中でやめてしまった。そこさえ気にしなければ縦式でも十分だと思います。200Pくらいの厚さだと(表紙の紙にもよるとは思いますが)目次のところは思ったよりガバッと開けるのでノドを考えずに作ってもいいのかなと思いました。
私へ : 次は目次を一番最後に作ってください。それかページ数を入れるのは最後にしてください。
どうして最後かというと、この本を作ったときに締切10分前まで原稿をやっていたせいでページ数が最後まで決まらなかった(また校正とかやってると本文が1Pとか2Pとかズレたりする)のに、とりあえずで先に目次を作ったら修正したにもかかわらず不注意から目次に記載したページ数と本文のページ数がズレてしまい印刷所から確認の電話がかかってきてしまったからです。計画性と余裕がなく、また著しく数字が苦手なせいでこうなったんだと思いますが死にかけたので共有しておきます。印刷所の人にも迷惑がかかるし何よりミスの原因にもつながるので、次自分が作るときはページ数の部分をブランクにしておくか一番最後に作るようにします。
- 奥付
本当にやっちまったので私が書けることはめちゃくちゃ少ないですが、奥付は縦式で作成しました。ここに作り方が書いてあります。「奥」と書いてあるのが奥付けコマンドが挿入されている部分です。
もう本当に恥かしい。縦式で作成した奥付自体は普通にシンプルでよかったのですが、普通に不注意から修正シールを貼ることになってしまいました。今度は二次創作同人小説の注意書き文言はちゃんとまとまっているので、一気に作成します。あと良くみたら傍線みたいなやつも1マスずれてるんですよね、、、、、ハア、、。この有様でフォントのフチが云々細かいとこに言及しているのめちゃくちゃ恥かしい。
ただこういうのは時間さえあれば何度も見なおして防げることでもあるので、本当に時間に余裕を持って確認を挟むのがいいです。あといろいろ手をつけないこと。修正シールは本当に厳しい、もう絶対にいやです。(どうしてこんな有様になったのかを知りたい人はこれの「やらかし1」を見てください)(普通に原稿に飽きて奥付から雰囲気で作ったら発生した事故です)
おわりに
初めてでも私よりうまく作れている人はいるし、失敗図鑑みたいになってるのをあえて見る必要はあるのか謎ですが、自分が同じ過ちを繰り返さないための戒めです。
ちなみに今は自由度が高いインデザインでも原稿が作れるようになりたくて勉強中ですが、直感的で操作が単純かつ明快なので初めてなら縦式がもってこいだなと感じました。あと、ひとつのファイルで扉と目次と本文と奥付の全部を一気に作るのもいいですが、私はこまめにプレビューをかけてページ構成を確認・修正したかったので本文と奥付と目次と、のようにそれぞれ項目ごとにファイルを作成していました。ここは自分にあったやりかたが一番だと思います。また印刷所によって原稿ファイルの作り方が異なることが考えられ、一概には言えないのですが私が依頼したスターブックスさんは本文のページ数とファイル名につけたページ数が一致していれば大丈夫だったので分割で作成しました。
説明が難しいので実際に入稿したZip ファイルの中身のスクショを上げておきます。
001が1ページ、最後の201は202が正しいです。(印刷所から確認の連絡がきた、すみません)
001-008が扉・目次・タイトルページなど
009-199が本文(あとがき含む)
200-201が参考文献
201(202)が奥付
これだけ書きましたが、一番肝要なのはもうとにかく計画的にはやめに原稿を書き上げることです。でもこれが一番難しい。。。校正、もっと難しい、というか原稿をやっていると、まだ時間ある、まだいける、もう全ての自分の文がおかしい、時間ない、全部変に見える、何もかもが間違っている、迫る締切、書けない、こんなものこんなもの!!みたいになる瞬間が毎秒あって気がどうにかなりそうになります。そういうときはひとりでもくりをやったり、フォロワーさんのもくりに参加したりTwitterで暴れては励ましてもらったりしていました。
ちなみにこのブログでここ、何を言っているのかさっぱりわからねえ、、みたいなのがあったら当該箇所を指定して質問していただければ頑張って答えます。わかりにくくてすみません。
次回は、「締切3日前に生まれてはじめてIllustratorをダウンロードした!!!今からカバーと表紙を自作します!!でも操作方法が1ミリもわからない」です。よろしくお願いします。
同人誌をつくる1 (本の仕様を決める)
※2022-12-24改
この記事は私が作った同人誌の備忘録を兼ねています。基本的に作成した同人誌をベースに話が進みます。
はじめてイベントに出す同人誌(カバー付き文庫本/pixiv再録と書きおろし3作)を作るにあたって網羅的にどうすればいいかがわかるサイトがなかったので備忘録を兼ねてブログにしました(あと備忘録メインのひとり反省会会場なので読みやすさは捨てています)。
どんなタイムスケジュールで進行していったか、実際本をつくって気がついた失敗と改善策、同人誌を作ってわかったことについてはここにまとめています。こっちを先に見てもらった方がわかりやすいかもしれません。
同人誌を作るにあたって
・こういう本が作りたいというぼんやりとした構想が先に決まっていた
・イベントで頒布する本を作ろうとしていた
・再録がメインだったので原稿は一応大方ある状態だった
こんな感じで作りたい本の感じは頭にあったのと再録メインであったこと、なによりお金が極限までなかったので、先に原稿を作ってから本のイメージに合わせて〜というスタイルはできませんでした。
とにかく見積りを先に出していくらかかるのか知って安心したいけど面倒なのは全部無理だったので、まずは印刷会社選ぶところからスタートしました。栄光さんとか緑陽社さん、プリントオンさんとかの大手の名前を一応把握している程度の知識だったので、印刷所を探す・選ぶために手持ちの同人誌の奥付を見まくりどういう会社があるのかを抑えました。
私はカバー付きの文庫本が作りたかったので、見積もりフォームがわかりやすかった(これが大きい)のと、オンデマンドでも本文の黒テカリがないこと、希望するカバー付き小説本の設定がある(これはあるところ多いかもだけど)といった理由からスターブックスさんにしました。
(装丁っていわれても困るよ…って人は、「同人誌 装丁」などをtwitterで検索するとめちゃくちゃ出てきて参考になります)。各印刷所の得意なことを把握するために、twitterで「印刷会社名 やりたい装丁(気になる紙の名前)」などで検索するのもよかったです。モリモリ出てくる。私はあまり同人誌感のない本にしたかったので、同人誌を参考にするというよりは実際の書店に何度も足を運び、小説コーナーだけでなくBLコミックからデザイン本、辞書、参考書、雑誌まで手広く装丁を見まくるのを何度もやりました。
ここからは実際にスタブさんで見積りを出すにあたり、わからないことを解消できるようにまとめました(リンク先はわかりやすさや質感を優先したために様々なサイトに飛びます)。
そんなこんなでスターブックスさん(以下スタブさん)に決めたのでWebページにアクセスして見積りを出してみます。まず「同人誌」の項目を選び小説本なので「オンデマンド ノベルズ」を選択、そうすると自動で簡単に見つもりを出してくれる「ご発注フォーム」があるので、そちらに飛びます。
ここでは部数、本のサイズ、製本方式・・・といろいろでてきて本を作るにあたり決めなくてはいけないことの全体がざっくりとわかるので一回見ておくといいです。全体像の把握に役立ちます。
実際にこう見ると色々遊べることがわかって楽しい、印刷所によって得意とすることや特色が違うらしいので調べてみるといいかもしれません。
でも実際にどう印刷されるとか、紙を選んでと言われても何も想像できなかったので
印刷会社さんが配布している紙サンプルがあるらしいと知り請求をかけます。
スタブさんだと、トップページを一番下までスクロールするとこの画面が出てきて「用紙見本請求」という項目があるのでそこをクリックすると実際に紙とその紙に印刷したときにどう見えるか、といったサンプルがもらえます。(他の印刷会社さんもやってるのでいくつか取りよせて比較するといいかもしれない)
この他にも箔や特殊な加工(メタリックカラー印刷やPP加工など)のサンプルも請求できるみたい(スタブさんは有料)なので1つあるといいかも。サンプルがどんな感じでもらえるかは以下のサイトが参考になりました(私は印刷所を最初に決めてしまったので一箇所しかしてない)。
同人印刷所26社に紙見本等の資料請求してみた【方法・料金・用紙種類まとめ】 | プロット以上、原稿未満。
それでは「作品の仕様」を決めるところに入っていきますが、ここを初見でやるのはしんどそうだったり、一回目だとわかりにくい押さえておいた方がいいポイントなどがある(と思った)のでていねいに書いていきます。
基本仕様
製本方式・綴じ方向
調べるとくるみとか無線とか色々な名前が出てきてオアア!!となるかもしれないけど、スタブは無線綴じしかないから安心です。気になるならここを見れば大丈夫、あとは必要に応じて調べてみてください。あと、新潮社の本作りの基礎知識は小説本を初めて作るならざっと目を通しておくといいかもしれないです。一般的な小説本は無線綴じ、右綴じだとあったので同じ設定にしました。
表紙の仕様
用紙
これは時間をかけて選定したのですが、今になってよく考えたら全体のデザインとかを後で詳細に詰めたときに大きく変動があったので、この段階では目星をつけるくらいで、見本紙を触ったり作る本がもう少し形になってきてからでもよかったかも。(私の話)
とりあえず最初の段階ではパルルックVシュガーを選んだ記憶があります。これもtwitterで「パルルック 表紙」とかで検索すると実際に使った方の写真が上がっているので、目星つけたらtwitterで実際どんな感じか見た方が楽しいしイメージの齟齬は減らせそう(私は減らせた)
ただ、表紙の紙の厚さには注意が必要だと感じました。好きな紙を選ぶのもめっちゃ最高なのですが、表紙に向く厚さと向かない厚さがあることを知り、あいださんのnote(下記にurl有)を見て、文庫本であることも考慮して200K→180Kまで落しました。それでもおっ!ややコシがあるな、くらいなのでこれより厚さが出るとページ数とかによってはめくりの感じや開き具合がしんどくなるかもです。
カバー付き文庫同人誌のすすめ(装丁・紙・印刷について)|あいだ|note
印刷指定
私はデザインも自分でやろうとしていたのと、特殊な色にするつもりはなかったので通常CMYKのままにしました。
ここの印刷はくどくなっちゃうかなと思ってしなかった。ただこの範囲も印刷できることをこのときに知ってちょっと感動した。すごい。
私はカバーをつけることを考えていたのと、濃い色で印刷することはあまり考えていなかったこと、それからシェルルックやパルルックといった特殊な紙を表紙に使うつもりだったのでPP加工をしませんでした。(こういった特殊紙にPP加工をすると紙のツヤやパール感といった特性を感じにくくなるらしく、それを避けるため)
他には「PP加工をするとすると、やや赤みが増したように見えます。グロスPPはセロハンテープを、マットPPはメンディングテープを貼ってみると、ご自宅でも色味の変化が確認できます。」という記載がありました。顔などの繊細な肌色を使うなら注意が必要かも(?)
やってもいいかなと思ったけど予算がないのでやめました。やるならカバーにマットPPでやりたいかもしれない。
モノクロ本文の仕様
肝心の本文です。正直ここは可読性や視認性に大きく影響して読み手にストレスを感じ云々とかいうのをどっかで見てめちゃくちゃ真剣に調べた記憶があります。(でも正直用紙を真っ白とかにしなければ基本大丈夫だと思います)
ページ数
私は原稿を完成させる前にだいたいこのくらい、という仮のページ数を入れましたがこれをやって安心して原稿を進め、実際のページ数と仮が大きく乖離すると見積りが狂うだけでなくカバーと表紙の背幅でミスる確率が上ると思うので気をつけてください。この見積りフォームで選択された表紙などの紙の厚さ+本文のページ数と本文用紙の厚さから背幅を自動計算してくれるのですが、この数字がカバーや表紙を作る際に重要になってきます。 私のように仮の背幅の数値で先走ってカバーと表紙を作ってしまうと、正式な背幅が出たときにカバーや表紙のテンプレ(も背幅のミリ数によって分けられている)を選び直してデータの修正をしないといけないみたいな大惨事になるので気をつけてください。
用紙
モノクロ本文は淡クリームキンマリを選んでおくのが安パイだと学びました。70Kとか90Kとかは紙の厚さです。どっちにしたらいいかわからなかったのでここを見ました。最終的に200ページ近くなりそうだとわかって70Kにしました。
印刷指定
なんの話かよくわからなかったのでここを参考にしました。本文読んでて光が当ったときに家のインクジェットで印刷したみたいなブリブリのインクのテカリが出てノイズになるのが怖くて念のため「黒のマット感を優先」を選びました。この設定だと仕上がりをみてもテカリが一切なくてよかったです。グラデーション優先はどんな感じになるかわからないです。
カラー本文はやってないのでわからないですが、今までの感じでいけると思う。急に投げやりになってすみません。
カバーの仕様
カバー
カバーは絶対つけたかったので「あり」にしました。
用紙
ミラーコート・プラチナとコート紙・キュリアスIR_パールから選べますが、シンプルにしたかったのと考えていたデザイン的にキュリアスの光沢がノイズになりそうなこと、用紙の特性からクリーム色感が強いこと、それにせっかくキュリアスを選んでもPP加工でグリッター感が薄れる可能性が高そうといった事情から今回は「コート紙」にしました。
PP加工
マットPPとかなり悩みましたが文庫本は圧倒的にグロスPPが多かったのでグロスにしました。結果的によかったと思います。箔を使うならマットにした。
遊び紙の仕様
前後に入れたかったのでその設定でいきました。当初選んだのは「アストロブライト-FS_オレンジ_54.5K」と「アストロブライト-FS_グリーン_54.5K」でしたが本の雰囲気にマッチしなかった(私の想定よりネオン感が薄く画用紙感が強かった)ので最終的にクラシコ(トレーシングペーパー)に変えました。
オプション加工
文庫本で本の角を丸にするのはちょっと個人的な趣味と合わないのでナシにしましたが、A5のちょっと厚めの本とかだったらめちゃくちゃかわいいと思った。
かわいい。ただこれも単行本かつ私のデザインだとクドくなってしまう可能性があったのと、記載されている注意を読んだ結果今回はナシになりました。
おつかれ様です。ここまでくると同人誌ってこんな感じなんだ!という全体的な肌感は少し掴めたり、他の作家さんが話していることがわかるのではないかなと思います。どうだろう。、、
そして一番下の「ご利用料金と〆切りを計算します」のボタンを押すと印刷費と入稿締切が一覧でバーンと出ます。これはやっていて気がついたのですが、イベントに合わせての納品だと当然締切がどんどん埋まっていくので早めにお客様登録をしたあとで見積り→発注をかけてしまうのが吉です。スタブさんなら仕様はいつでも修正ができるし、選択した締切よりも早く仕上げて毎割プランを早めてから入稿すれば、早めた分だけ値引額がアップするとかもやってくれるので。。。詳しくは「割引制度」を見ること。
あと、スタブさんはちょっとお高めの印刷所らしく早割つかわないとちょっときついかもという声も聞きました。この部分含めて他社と比較ができない(そもそもしてすらない)のでここがすごくよかった!というのはできないのですが、こういう声もあったのと個人的な体験からも初回をスタブさんにしてよかったと思っています。
ただ作成したデータが出力されるとどうなるかが分らない、とにかく自分のデータが信用できない、色がどうなってるのかわからない、形になったものを見ないと仕上り予想ができないという初心者の私にはサンプル印刷のサービスがないのは本当にしんどかった(こんなのはマジで私だけかもしれない)ので、そこだけ何卒、、みたいな気持ちになりました。
次は
「さあ同人誌を作るぞ、ワードを立ちあげました。で、こっからどうやって本にするんだっけ、、、?」になります。
紙のこともわかった、箔とかもあるしPP加工しちゃおっかな〜、みたいな全体が見えたのでいよいよ原稿作りです。とはいっても同人誌を作っている人を見ていたし、ちょっとだけど手伝ったりしていたのでなんとかなるでしょ〜だいたいこんな感じだったもんね〜〜ハア〜私もついに原稿という単語を使ったツイートをする日が来てしまったのか、、、ウフフ、、とか呑気なことを思っていたけれど着手したら一瞬で終了した。
まずクミハンがわからない。テンとチがありコグチが x mmでノドをどのくらいとってヨハクが、、、、????からスタートします。これでよく本が出せたと思う。
ひとり同人誌反省会
はじめてイベントに出す同人誌(カバー付き文庫本/pixiv再録と書きおろし3作)を作るにあたって網羅的にどうすればいいかがわかるサイトがなかったので備忘録を兼ねてブログにしました。本当は自分のwebページを立ちあげたかったのですが覚えてるうちに一気に書きあげたかったので一旦あきらめました。今後自分のサイトにまとめて追記したり管理するかもしれない。(あと備忘録メインのひとり反省会なので読みやすさには眠っていただきました)
☆同人誌頒布までの流れはこれです
(注意)ここでの試し刷りとは、自分が選んだ印刷会社さんがサンプル印刷を休止していたことに後から気がつき(当然あると思いこんでいた)、本物を見るまで自分が作ったデータが一切信用できないことと、今までの経験から自分は絶対やらかすと思い1冊だけ本番と同じデータで先に本を作ったことを指しています。(泣くほど金額が高かった)(でもやってよかった後悔はマジでしてない)(サンプル印刷サービスがある印刷所を選ぶ方が安心かも)
2021/12/18 5月に本を出そうかなというツイートをする
- 空白の期間(上げていた小説を初めて読み返し悶絶していたとかだと思う) -
2022/2/1 イベントで本を絶対出さなくてはいけない理由ができる(動きはじめる)
同 2/9 イベントに申し込む(退路を断つ)
2/20 印刷会社に請求していた紙サンプルが届く
2/21 書きおろしを書きはじめる
3/4 細かい仕様を変えては見積りを出しを繰り返す。本のサイズをA6にするかA5にするかで死ぬほどまよう
3/30 進まない再録の加筆修正とどうにもならない書きおろしについてのツイートがめちゃくちゃ増加する
4/2 本の厚みを「文庫本サイズを選んだんだから市販の文庫本の厚みになるはず」と思いこんでいたため、「カバーや表紙は背幅により変動する」「本の背幅自動計算」みたいな文字を見て、(もしかしてページ数が少ないと本のサイズは文庫でもめっちゃ薄くなっちゃうかもしれないってこと!?)とめちゃくちゃ焦りだす(これ以降やっても何も変わらないのに毎日シュミレーションしていた)
4/6 原稿の進捗がダメなことに気がつき実家に帰る。一日中書いたり消したりする
4/8-9 カバー・本文・表紙の試し刷りの締切が襲いかかる(人生初の入稿)
4/11 イベントのスペース配置が発表されてめちゃくちゃ焦りはじめる
4/16 試し刷りの本が到着する(そのときのようす)
4/22 おしながきとサンプルをあげる(まだ原稿できてないのに)
4/26 本番の本文と表紙の締切当日なのに本文が完成せず締切10分前まで原稿を書き、本文の加筆修正に伴ない事前に作成していた目次とページ数がズレることに気がついて30分締切時間を伸ばしてもらい入稿→脱稿報告を祝ってもらった30秒後に不備に気がつき印刷会社から不備連絡がくる→所定の時間に修正データを送り完全脱稿
5/3 朝自分のスペースに行くと本が机の下にダンボールに入って置いてあった
結果としては書きおろしもなんとかまとめて新刊を落とすことなく頒布することができたのですが、スケジュールの全ては破綻していてかなり無理矢理やった感じが大きい。見通しの悪さと計画性のなさ、見積りの甘さと時間のなさが原因です。
自分で確認できている今回の同人誌単体での細かなやらかしは以下のとおりです。
- やらかし1 奥付の不備とその改善策
- やらかし2 裏表紙の文字と文字の間の不自然な空白と改善策
- やらかし3 入稿データ間違いによる色ミスと改善策
- やらかし4 カバーの価格表示部分の誤植と改善策
- やらかし5 本文を印刷した時の裏表の行を揃え忘れた
やらかし1 奥付の不備とその改善策
原稿が進まず飽きたため、奥付ならすぐ書けることから「今書けそうな奥付から先に書いて進めた気になろう、メアドとか他の書かないといけないやつはテンプレあるし後からやろ〜」と、飛び飛びで奥付を作成したところ、ヌケモレが酷くて修正シールを3枚も貼ることになった。
具体的にはテンプレまで存在していて確認していたにも関らず、メールアドレスや18禁明記、原作との関係などが抜けて(書いたつもりになって)いた。
〈改善策〉
手があいたので奥付のここまで先にやってここは後からやろうというように、飛び飛びでの作業をしない。やるならページや項目全てを最後までまとめて作成すること。また、時間に余裕を保たせて最終確認が出来るようにする。(表紙やカバーなどに記入があっても扉や奥付に改めて明記する必要があり、特に印刷所や発行者、連絡先(SNSアカウントではなくメアドが好ましい)などがない場合は最悪頒布が難しくなったり、私のように修正シールを3枚も貼るハメになったりする。(本当にすみません)
やらかし2 裏表紙の文字と文字の間の不自然な空白と改善策
試し刷りだからあとでちゃんとしたデータを作ればいい、データは全部アウトラインとらないといけないらしい(イラレは1週間前にインストールした)という知識と想定でデータを作成したため、届いた試し刷り本を見て本番向けにデータの修正をしようとしたらアウトラインとった後のデータしかなくてどのフォントを何Ptでどうした、といったデータがなにもわからなくて困った。
具体的には試し刷り裏表紙のデータの「つ」のローマ字のつづりを間違えていることに気がついたが、アウトラインを取ってしまった後であること、それからアウトラインを取る前のデータがないこと、時間もないことからどうにもならず、データの文字の順番を入れ変えるという力技を駆使したがよくみたらtとsの間が不自然に空いていた。
〈改善策〉
イラレのデータ管理がよくわかっていなかった。今後はアウトライン(OL)を取るまえに保存→アウトラインを取ったデータに「cover_OL」といった名前をつけて保存するようにする。(そうすると修正がしやすいし、どのデータを触ればいいかが一発でわかる)
やらかし3 入稿データ間違いによる色ミスと改善策
これで完成→微修正のときにファイルに同じような名前のファイルを作りまくり、修正データの作成や入稿が多いのにファイル整理を怠ったため、どれが何だかわからなくなり名前を信じて入稿したところ、(修正前のデータで作成しようとしていたのに修正後のデータを入稿していたらしく)不本意な色合いになってしまった。
〈改善策〉
何度もやりとりしたり修正が考えられたり同じようなデータが多く間違えやすい場合、ファイル整理を面倒でもきちんとやること。途中で整理ができていないことに気がついたらその場で対応する、似たような名前(実際つけていた名前:nyuukoufix, nyuukou, nyuukoukannsei, nyukou )をつけない。これは本当に最悪だと自分でも思う。普段のファイル整理からちゃんとやってないと急にはできない。(デザイナーさんのファイル整理方法などを参考にするとよさそう)(調べると出てくる)
やらかし4 カバーの価格表示部分の誤植と改善策
カバー裏のC0197以降の金額が頒布価格になっていない。これは試し刷りのときに暫定で数字をつっこんだことを忘れてしまい、どこにも本番で修正する場所のメモを残さなかった上に本番で時間がなかったのでそのまま入稿してしまい、印刷された後に気がついた。
〈改善策〉
確認不足と時間のなさが原因にあるけれど、仮の数値などは数値そのものを入れるのではなく「nnnnnnn」や「仮仮仮」のように一目でわかる形でデータを作成する。また試し刷りやサンプル印刷で修正箇所が見つかった際には、その場でその本体に赤ペンなどで「どこをどのように修正するか」を書き込み訂正が終わったら訂正線を引くようにするとよさそう。
やらかし5 本文を印刷した時の裏表の行を揃え忘れた
市販の小説本を透かしても行の乱れがないのに自分の小説はそうでないことが試し刷りのときに気になって、どうやって揃えたら透かしても綺麗に見えるかを調べてあったのに本文の入稿が締切数分前とかめちゃくちゃ焦っていて飛んでしまい直せなかった。
〈改善策〉
時間に余裕を持つこと。とにかくこれ。あとはやらかし4の改善策も使えそう。
他にもやらかし2と同じ理由で、試し刷りをする際に作った目次のページ数と本番で締切ギリギリになって完成した本文のページ数がズレていて何度も修正のやりとりをしたり、画像データのリンク切れを何度も確認したのに画像の下の下に埋もれた画像データがあって修正の電話を頂いたり、校正を頼んでいた友達を進まない書き上がらない原稿のせいで振りまわしてしまったり、寝ずに原稿をやりすぎて緑色のゲロを吐いて体調が悪くなって迷惑をかけたりましたが(あとはトイレで便器の蓋にパソコンを置いて作業していたせいで痔になった)、なにより手に取ってくださった(これからくださる)方に一番いい、これ以上は無理という状態での本を渡せなかったのが一番のやらかしです。これは本当にごめんなさい。
頒布物が手元にある方も多くいる中でこういう記事を書くのもどうかと思ったのですが、次に活かすために忘れないようにする必要があったことや内容の方向としてはネガティブであったとしても、やらかし自体は忘れたり同じことをやらなければネガティブなことだとは(個人的に)思っていないのであえて書きました。自分でできそうな改善策まで考えるのはもうわかってるから結構イヤだったけど、それをやらないと何にもならないのと、書き出すと再認しやすかったのでそこはよかったです。
同人誌を作ってわかったこと
インターネットで調べれば何でも出てくる、素人の自分が悩む・わからないレベルのことは既に先人が経験しているので殆どネットにのっている、わからなくてもあきらめないこと、できることやってだめそうなら同人誌出してる方に相談すること、経験者の方がいなかったら原稿作れなかった。本当にありがとうございます。
印刷所が超親切。とにかく印刷所の方の負担になることは避けたかったのでめちゃくちゃ入稿データの作り方や多い不備、Q&Aを見てデータを作ったつもりだったけれど不備があったときに、とても丁寧に案内をくれたりできるかぎり柔軟に対応してくださりwebページに記載のない事項の確認から不備対応まで「この人たちがいなかったら絶対本出ないな(もちろんそうなんだけどそれはそうとして)」と思うくらい丁寧で優しかったです。「がんばってくださいね」みたいなことを言ってくれたりしてめちゃくちゃがんばれました。
色んな人が関わっていて、そういう人たちがいてくれるので同人誌は出せるしこういう活動ができる、社会体験みたいな感じではたらくひと・仕事ってすごいなと改めて思いました。
本つくるのはしぬほど大変。めちゃくちゃ楽しいけどちゃんと考えてスケジュール立てたりしないと普通に身体壊すと思う。私は本来よく動くタイプなのですが、原稿がヤバくなってからはずっと同じ体勢で殆ど立たずに(集中してると忘れるし時間なくて立てない)やってたし、なんなら最後は殆ど寝ないでやっていたので、これ続けたら寿命縮まるなと思いました。 健康を維持して生活をちゃんと送れた上で趣味で作らないと長く沢山同人誌作れないので次からは気をつけたいです。
日頃の自分の杜撰さを再認できる。自分の「や〜、わかってるけど面倒なんだよね、大丈夫大丈夫ちゃんと後で直すって、試し刷りまでこぎつけたしいけるっしょ!やったー!」みたいな最悪が全部露呈するとこうなるということがわかりました。本当に気がついたらその場でやること、絶対に忘れること、予定はギチギチで組まないこと、失敗したときのリカバーも考えておく必要があるみたいな大事なことを学べました。とにかく自分を信用してはいけない。よくわかった。
リアクションくれる全ての人、ありがとうございます。原稿やってても何しててもあまり孤独ではない(と私は感じる)けど、やっぱりめちゃくちゃ大変で「もう誰だよ本出すっていったやつ、、、」みたいになったときに、もくりしてくれたりリプくれたり何かしらの反応があるだけで、ウワーーンうれしいうれしい、もうちょっとがんばろ、、みたいな気持ちになりました。特に深夜とかにTLに誰かがいてくれたりいいねがついたりすると(みんな寝られるならば早く寝た方がいいのはそうだけど)めちゃくちゃうれしかったです。ありがとうございます。それと感想は思っていた1000倍くらい大事なんだなと思いました。ROMだった頃は、こんな知らない誰かの感想とか交流のない読み専の人間(私)からもらって嬉しいのかなとか、そもそも本当にこんな内容の感想もらって…とか、もう明日にしようかなとか(送る側として自分が)よく思っていたのですが、そういう全部は取っぱらってとにかく「よかったです」だけでも打てたら送信ボタンを押す必要があるということがよくわかりました。
こんなところでしょうか、色々書いたけれどやっぱり本当にやってよかったし終わってみればとても楽しかったです。違う印刷所とか装丁だとまた色々学ぶところが多いんだろうなあと思うけれどひとつずつていねいに余裕もってがんばります。次くらいから「同人誌作ろうとしたはいいけどそういえば何もわからない、、、読んでたときとか手伝ってたときはいける気がしていたのに、、」みたいなやつを書こうと思います。
以上です。見てください、わたしはまた性懲りもなく朝を迎えてしまいました。もうねます。おやすみなさい。